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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

祖父の葬儀

母方の祖父が亡くなった。祖母が亡くなってから五ヶ月、後を追うようにして、である。要介護認定もされていたし、寂しい独り暮らしを続けるよりは、早く嫁さんの所へ行けて良かったんちゃうか、とは親戚たちの弁。まあ、あたしもそう思う。
心配なのは、両親を立て続けに亡くした母のことであるが、今はまだ手続きでバタバタしているせいもあって、そこまで気落ちしていないらしい。しかし、家主がいなくなった家は悲しいもので、ここで皆で暮らしていたのに、と母は寂しそうであった。
葬儀は家族葬。だだっ広い控え室に人が数人である。苦しまずに逝った祖父はとても穏やかで、阪神タイガースのキャップをかぶった遺影と同じ顔であった。じいちゃん、あんたの多分唯一の孫が来てやったぞ、と心の中で声をかける。多分、というのは、祖父が遊び好きだったのを知っているからである。それで祖母と何度も大喧嘩したらしい。向こうに行っても同じことをするのだろうか。
棺に詰め込んだのは、餅、カレー、様々な和菓子。ほとんどが食べ物だ。最後に酒を唇に湿らせてやる。あたしは祖父と酒を飲んだことがほとんどない。あたしの結婚式のときくらいだったのではないか。そこまで思い出して、じいちゃん、結婚式来てくれてありがとう、とあたしが言うと、ただでさえ涙を目にためている母が号泣する。あたしは母の背中をさする。
祖父の骨はとても綺麗だった。喉仏もほぼ残っていた。骨壷を抱いた伯母が、これあったかい、焼きたてホヤホヤやもんな、とか何とか言ってあたしたちは笑った。葬儀のときというのはどれだけ下らないことでも笑えるものである。
夕飯は、祖父母が好きだった洋食屋へ行った。あたしはハンバーグ。ヒレカツを頼んだ母は、多いと言って二切れもあたしの皿によこした。父がやたら饒舌なので、母は父も躁鬱なのではないかと疑っていた(今のところ、通常のうつとの診断である)。葬儀のときは誰でもそうなるらしいよ、とあたしは母をなだめたが、実のところ、あたしも同感であった。両親が死に、夫と娘は精神病、自分は癌。母も散々である。
両親はそのまま祖父母の家に泊まるということで、あたしは一人駅へと向かった。その途中、ずっと吸えていなかったタバコに火をつけた。あたしが死んだら、これを棺に入れてもらおう。大丈夫、銘柄ならあいつが知っている。まあ、今は復職に燃えているから、当分死ぬ予定は無いけどね。