sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

近ごろお誘い頂くことも少なくて、せっかく声をかけてもらっても都合がつかないこともある。そういうのを三度繰り返してようやく日取りを決めたのだが、あろうことにその約束をあたしはすっかり忘れていた。たまたま相手が残業だったから事なきを得たけれど。さもしっかりと準備していたかのように先に待ち合わせ場所に向かうあたし、完璧。
その待ち合わせ場所というのが「あそこのローソン」というやつなのだが、柳くんと会うときはいつもそこだからちゃんとわかる。二人ともとりあえず生ビールが飲めれば何でもいい性格なので、居酒屋も適当。最近太ったからという理由で炭水化物は頼まず刺身と枝豆をつまむ。揚げ物も要らない。
互いの仕事の話をひとしきりした後、「子供作るメリットって何?」と聞いてみる。一回30万円の体外受精を経て第一子を得た柳くん。「金銭的なメリットは何もないけど、まだそこまで出費はない。飯代もしれてるし、維持費は1万円くらい?」とのご回答であった。
あたしはもうじき30歳になる。子供を作るかどうかというのは非常に大きな問題であり、新婚期間を過ぎればそれがずいずい目の前に迫ってくる。子供がいるメリットといえば「人間として成長できる、人生が豊かになる」とか感情論ばっかり。柳くんもそれに対して返答はできかねるようだが、「とりあえず産んどけば?」とのお言葉を頂いた。
まあ、そんな適当な考えでいいかもしれないな、とも思っている。幸いうちの所得は安定してきているし、まだ親も元気。これが二人ともアルバイト生活だったら風当たりも強いけれど、世間的にうちは「普通の家庭」らしいし。
子供がいることのデメリットは、職場のお姉さまたちから散々聞いて知っている。自分の時間が持てない、好きなものも食べられない、外出先は子供中心、仕事も抜けなければならず中途半端になる、ママさん同士の妙なコミュニティに悩む、役員やら何やらで休日も作業がある、などなどなどなど。
多分、子供を持てば、一年に50回くらい「産まなきゃよかった」と口走ると思う。酒も遊びも大好きなあたし、自由が奪われることは本当に耐え難い。それでも居なけりゃ寂しいかもしれないし、選択的子無しというのは現在世間体がすこぶる悪い。いくら多様化だ何だと言われていても、周囲のジジババにとって子供を持とうとしない夫婦は欠陥品扱いである。
よーし、あたし産んじゃうぞー、とか呟きながらウイスキーをぐびぐび。ちなみに二軒目に突入している。柳くんは本来アルコールに強いのだが、育児で時間を割かれた結果すっかり弱ってしまっており、焼酎二杯で酔っぱらっていた。
「他人を褒めるのは好きじゃないんだけど」と突然語り始める柳くん。あたしもほろ酔いなので茶化しながら聞き始める。
「サキちゃんは他人のことをよく見ていて人当たりがいいからリーダーに向いてる」とのたまった。突然褒められても全くピンとこないのだが、まあ本心から言っていることは明らかなので素直に受けとる。
やだなー、何か知らんけどあたし好かれてるのねー、と追加注文、スプモーニ。へらへらしていたらいい時間になったのでお開き、御代はあたしが払うことになった。持ち合わせが少なかったらしい、クソが。
次はたくさんおごる、とのことなので、またお誘い下さいな、と返す。既婚子持ちの中で(今日はアレだったけど)酒が強い友人というのも少ないので、相談には乗らせようと思う。
メリットが何かよくわからんけど、まあ一度くらい孕んでみますか。そんなふわふわした決意がとりあえず生まれた。