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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

そもそもきちんとした始まりが無かったのだから、終わりようもないわけで、あたしたちは出会ったときから寸分変わらない関係を築いているのだろう。ただ、他の知り合いよりも多少、大切に思っているというだけで。約束も言葉も滅多に交わさないから、未だにお互い知らない部分は多いし、さして知ろうともしていない。カクテルを特集した雑誌に、ヴェスパーが載っていたから、ああ、カジノロワイヤルね、とあたしが言うと、彼はそれを知らないと言った。オメガをつけているくせに?そう聞くと、幼い頃からほとんど映画を観たことがないのだと彼は答えた。
そんなこと、さっき初めて知った。

「俺は変わらない」
と彼は言った。あたしが変わってしまったことに対する返答だった。今後孤独死したとしても、それは運命だと。去年のあたしなら、それを悲しんでそうさせまいとしただろうけど、彼がそう選択したのなら、あたしは全て肯定しようと考えている。人の幸せなんて、本人にしか、場合によっては本人にすら、わからないのだから。