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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

リキさんとはそこそこ付き合いが長いが、二人で飲みに行くのは初めてだった。彼は子持ちバツイチとのデートの帰り、あたしが飲んでいたバーに合流してきた。ご注文はモヒート。
周りの友人たちが続々結婚していく。リキさんは焦っていた。只今遊びの女の子の精算手続き中で、この子はどう?続けた方がいい?等と質問された。あたしのアドバイスはいつも直感だ。写真を見れば、大体わかるので、こいつはやめた方がいいよーとバッサリ切り込んであげた。結果、残る女の子は居なかった。
贔屓目を差し引いても、リキさんのスペックは高い。容姿、学歴、収入、性格、ほぼ問題ない。なのに、どうして結婚できない?あたしに言われても困るし分からない。恐らく、就職と同じだ、運がものを言う世界なのだ。どれだけ優れた人でも、出会うべきときに、出会うべき人と出会わないと、結婚できないのだろう。
そんなものだ。
そしてあたしに、紹介できる女の子はいないか等と聞いてきたけど、それは無理な注文だ。あたしにはまともな女友達がいない。一目見て、すぐにそうと判る難あり物件ばかり。築年数は浅いが、立地が悪いとか、ユニットバスだとか、例えるならそういう感じだ。
あたしはマスターお勧めの果実酒ばかりを飲んでいたので、ほとんど酔いが回っていなかった。しかし、リキさんは案外酔っていたようで、方々へラインを送りはじめた。あたしもよくやってしまう、悪い癖だ。そして、二人で飲んでいることが知れ渡ったわけだが、やましいことは何もないので放置。実際、あたしたちは終電に乗れるよう、余裕を持って店を出た。
駅までの道で、カツヤには恋愛感情があったのか、と聞かれた。リキさんは、あたしと彼との経緯をよく知っている内の一人だ。うん、大好きだよ、とあたしは答えた。すると、可哀想に、と言われた。
彼は今頃、別な女の子と一緒に居るのだろう。それでもあたしは、彼が仮初めでも孤独でなくて良かった、と安心し、日々を過ごすことができる。彼にとっての幸福なんて、あたしにも、本人にも、誰にもわからない。けれど、不幸になるようなことがあれば、あたしは陰湿な手を使ってでもそれを排除する。浅ましくても醜くても報われなくても構わない。どれだけ歪だろうと、それがあたしの愛情だ。
タクシー代をケチって、山道を登る。汗とタバコの臭いを纏わせて。