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sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

二年目社員になったので、少し難易度の高い仕事を受け持つことになった。多少は先輩に質問するが、おおよそのことは自分でやれる。ただ、前任者の後藤さん(きっと50代、おそらく独身男性)が凄まじくスローペースな人なので、あたしに回ってきた時点でかなりの残量があった。びっくりした。それでも、後輩に押し付けやがって、等とは思わない。思えない。
後藤さんは、一言で言うなら不思議なオッサンだ。基本的には無口で、誰に対しても敬語。私生活のことを語らないし、聞いてもはぐらかされるので、謎が多い。物腰が柔らかいというよりは、ふわふわしていて、浮世離れしている。彼を天使と評する先輩がいたのだが、あたしはその表現が一番しっくりくると思う。そういえば、顔立ちも整っていらっしゃる。
決して、仕事ができないわけではない。下手なのだ、と思う。できない人は疎まれたり憎まれたりするが、後藤さんはそうではない。大きな失敗をすることはないし、小さな失敗をしたときも、周りは微笑みながらフォローする。愛である。頼りないけれど、嫌われない、それはきっと、彼が一生懸命仕事をしているからだろう。真剣、ではない。一生懸命。粘土細工に取り組む幼稚園児のように純粋なのだ。
あたしの担当の前任者ということで、仕事上の質問をすることがよくあるが、「こうしたらいけると思います、多分」「そうだったような、気がします」と物凄い返答をされる。それでも20年以上先輩なので、言っている内容は大体合っている。血気盛んなうちの職場で、のんびりペースの後藤さんはまさにオアシス。見習ってはいけないし、こういう人ばかりだと仕事が終わらないだろうが、部署に一人くらいは彼のような存在がいてもいいと思う。