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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

昔、ウサギを飼っていたとき、病気になったことに気づかなくて、そのまま死なせてしまったことがあった。後になって、小動物は捕食者から狙われないよう、弱っていても元気にふるまうということを知った。
あたし自身も、そうしている自覚はないが、どれだけ精神的にやられていても、周りの人にはそう見えないらしい。明るく陽気な外面をしているから、しんどいときの落差は分かりやすいはずなのに……と思っているのは、自分一人だけであった。かといって、過剰に落ち込む振りもできないので、へこんでいても声をかけられることはない。寂しい。
結果、口を開いて、助けを求めなければならなくなる。それができなかったメンヘラ時代の反省から、今は頼れる相手にきちんと連絡を取れるようになった。たった一言、優しい返事をくれれば、それで満足するときもある。今回はコウさんに甘えたラインを送った。よしよし、いい子だ、というなだめ言葉それだけで、なんとか一日の仕事をすることができたのである。
しかし、会社を出て一人になった瞬間、また情緒が不安定になった。もう、誰かに抱き締めてもらわないと、ダメな類のものである。けれど、節操無しに男を誘うことのリスクはいい加減学習したので、想い人がダメなら、すっぱり諦めることにした。会えることが決まった瞬間、あたしは駅のホームで泣きそうになった。
ところが、 タイミングは全て揃ってくれないもので、唐突に生理がきた。半笑いで謝ると、彼は缶ビールを一気飲みした。あたしはあたしで、今回の不調はホルモンバランスのせいか、と妙に納得した。
彼は明日も明後日も飲み会なのだと言っていた。金銭的にも体力的にも、今日あたしと会うことはキツかっただろう。それでも来てくれたのは、ささやかに発したサインが伝わったお陰だと勝手に解釈した。
あたしは多分、ウサギではない。鳴き声があるから、ネコなのだろう。ぐったり眠りにつく彼の背中を、自分は寝れないからといってぐいぐい揉んだ。怒られた。それでもやめなかった。
帰り道、彼はそっぽを向いて手をつないでくれなかったが、本当に機嫌を悪くしているわけではないと知っていた。だからしつこく名前を呼んで、邪険にされるのを楽しんだ。
そうしてようやく、満たされた。