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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

何の遠慮もなしに酒もタバコもできる会というのはいいものだ。遠慮するな、という言葉は毎回言われるけれど、それが建前なのか本当なのかくらいは解っているつもりでいる。普段は飲めない吸えない顔をしているが、この上司は信頼していいだろう、と今回は本音を晒した。別にあたしは王族貴族でも何でもない。ただの会社員。陰謀が渦巻いていることも無くはないが、いちいち疑っていると食事が不味くなる。
恩師はいつも言っていた。酒は楽しく飲むべきだと。だから愚痴は最初の一杯目だけで抑え、仕事の話はほどほどに、したい話だけをすればいいと。無茶な言い訳や洒落た台詞なんか要らない。あたしもこんな先輩に、上司になりたいと心底思う。
まだ水曜日。酔いつぶれてネカフェで寝るような曜日ではない。朝は寒いのに、終電は妙な熱気がこもっていて、暑い。早くシャワーを浴びたいと思う。例によって、飲み会の後いつものバーで一杯だけ飲んだ。そうすると割高な料金を取られるが、大したことはない。マスターの顔さえ見られれば良いのだから。
先日振った男性のことを考える。あたしにとって有利な条件は全て揃っていた。真正面から好きだ、幸せにしたいと言われた。それでもあたしは受け入れなかった。馬鹿な選択だと大多数の人は言うだろう。こんなに浮気性で、不安定で、寂しがりで、嫉妬深い女を愛してくれる男などそうそういない。
彼の震える声も、力強い腕の力も、何故かあたしを動かさなかった。終わったんだよ、そう言って、彼の胸を手のひらで押した。拒絶した理由は解っている。浅ましい理由だと解っている。それで後悔して泣きついた頃には彼がもういないことも、解っている。