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sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

マロンさんというのが彼の呼び名で、その理由についは30秒で終わる説明があるのだけれど、見た目からして既にマロンっぽいので違和感はない。最近恋人と別れた話で意気投合、朝まで飲み明かした。彼はあたしより少し歳上の営業職で、酒も強かったが、彼女と別れた傷が大きいのかずいぶん頼りなく見えた。
別れた原因は、彼女がマロンさんに「恋愛感情を抱けなかった」ということらしい。三年も付き合っておいてそれはどうなんだ、と思ったのだが、彼女なりの事情とやらがあったのだろう。女心の解説を求められても、あたしは自分と近い性格の子のことしかわからないし、マロンさんとも出会ったばかりなので大したことは言えない。ひとまず飲もうか、と空のグラスをつついた。
恋愛感情を抱けるかどうかの違いって何?と聞かれ、あたしは少し頭をひねった。思い浮かべたのは幾人かの男のこと。一緒に酒飲んで、ご飯食べて、それが楽しいだけの男友達と、恋人とは、何が違うのか。マロンさんに伝えた結論は、性欲が沸くかどうか、というどうしようもないものだった。知的な彼はそれを綺麗に解釈して、恋愛って本能的なものだもんね……と納得してしまった様子だった。そうじゃない気がする、と感じながらも、始発が動きだし、また今度ということになった。
家に帰って昼過ぎまで寝て、暇なので一人で考え続けていた。性欲が沸くかどうかが違いだなんて言ってみたけど、セックスしておいて後から連絡がくるとイライラするような子もいるし、ベタベタしながらもこいつと付き合うのは無いな、と感じる奴もいる。よく女性は愛情がないと身体の関係にならないと言われていて、あたしも昔はそれを信じていたけど、初体験後割とすぐにそうでもないことに気づいた。そんなものなくても、やりたいときはやるのである。
一人になってから一ヶ月が過ぎて、誰でもいいから付き合ってくれないか、なんて気分になるけれど、実際のところそうでもない。本当は誰でも良くない、誰かがいい。その誰かは狡猾なダメ男で、近づけば離れていくし、想っても報われないのだが、擦りきれるまでこのままでいようかと考えている。その方が今は楽だから。