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sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 サクがカレンダー通りの仕事ではないため、一日早く会うことになった。あたしは待ち合わせ時間に起床した。平謝り。
 いつもの駅、いつものローソン。湿気を多量に含んだぬるい風が、肌を撫でていた。あたしたちは恥ずかしげもなく、外を手を繋いで歩く。あたしの右手は常に塞がっている。
 サクがくれたのは、ヴィヴィアン・ウェストウッドの長財布だった。今使っている物が傷んできた、という話をさりげなくしていたのだ。色といいデザインといい、あたしの好みでありながらも、サクでないと選ばない最高の物だった。
 ベッドに寝転んで、サクのスマートフォンで賃貸サイトを見た。二人暮らしできるアテなんてどこにもないのに、住みたい町まで決まっているのだ。家賃上限7万円、築年数浅い順で検索。夢ばかり広がる。
 見捨てないでくれてありがとう、とサクは言った。あたしだけが正社員になって、肩書きも収入も差が生まれてしまった。彼はあたしが愛想を尽かすことを恐れている。あたし自身も、いつまでなら彼を待てるのだろうかと考える。あたしは26歳になった。彼は来年30歳になる。