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sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 なぜHOPEなのかと聞くと、そういうのが似合うオッサンに憧れているからだとカツヤは言った。もう充分オッサンやん、と言うと叱られた。彼はまだ27歳。
 土曜、都内。あたしたちはイングリッシュバーに居た。客層は大体20代後半。誰もが平日にはまっとうな職に就いている人に見えた。もちろん、あたしたちもそういう人種だ。
 あたしはギネスをぐびぐびと飲み、カツヤにハーパーをすすめた。オリジナルカクテルに挑戦してみたり、バター醤油焼きを注文したりしていると、時間はあっさりと過ぎていった。
 コンビニを探して駅前をうろついた。ATMで二万三千円引き出し、セブンスターを買った。日付はまだ変わっていなかった。雰囲気が十三に似ていると思った。淀川のない十三。東京といえども結局は日本だし、システムは同じだ。そんなわけで、部屋を選ぶときはパネルを押した。
 カツヤはあたしのことを可愛いと言って甘やかした。彼の身体はほとんど匂いがしなかった。いつの間にか電気は消されていて、それでも顔を見ようとすると、恥ずかしいと背けられた。なるほど、そういうのが苦手な人か。
 明け方、シャワーを浴びたときに、カツヤの身体にアザがあることに気づいた。色々あるの、と言われたので、色々ね、解った、と答えた。聞けば多分教えてくれただろうが、知らなくてもいいことは知らないままの方がいいのだ。
 お互い、野暮なことは言わなかった。カツヤが一言だけ、内緒やで、と言った。それで良かった。あたしは彼の伸びたヒゲを弄び、眠った。