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sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 なんとなく苦手なミキという女性がメンバーに居たのだが、これをきっかけに仲良くなれればよかろうということで、気の進まない飲み会に行った。駅前の安居酒屋、入った途端鼻につく悪い魚の臭い。三千円徴収され居心地の良くない席についた。
 ミキとは一言も話さなかった。席が離れていたせいもあるが、彼女が酔っ払って叫んでいるのを見て、話しかける気が失せたからだ。彼女は確かあたしよりも年上のはずだが、未だにそういうことをするらしい。
 バカだと思った。
 顔を広げることはできたから、行った意味はあったように思う。喫煙スペースで、あたしを姉さんと呼ぶ男子にセブンスターを渡し、ミキのアレはダメだろうとあたしは毒づいた。卒業して何年も経つのに、まだ大学生気取り?何勘違いしてるの?そこまでのことは言わなかったが、あたしが彼女を嫌っていることは明るみになった。
 あたしたちがタバコを吸っている間に、一本締めをする音が聞こえた。やれやれ、とあたしは席に戻り、幹事に礼を言った。机の上には、ラーメンの入った鍋や揚げ物が捨て置かれていた。タッパーを持ってきていれば、店側にむしろ感謝されただろうに。
 そんなには酔っていなかった。ミキの奇声でそんな気分にはなれなかったのだ。けれど、何となく寂しくなったので、幹事の背広をきゅっと掴んで甘えることにした。
 あたしが幹事のことをおとん、とふざけて呼んだので、父親の話になった。幹事は自分の父親と、数えるほどしか会ったことがないのだと言った。重い話はしたくなかったので、あたしはミキの行動に苦言を呈した。それでいて、「あの歳でアレやと首切られるまで変わらんやろ」と投げやりなことを言った。
 叱りたくなるのは大切に思っている人だけ。最近、そのことをよく考える。本当にそうだから。このどうしようもない飲み会が始まる直前、あたしは気にかけている一人にメールした。彼が孤立していることは知っている。だから、多少キツい文面を送った。好きじゃなければそんなことは言わない。
 そんなことを考えながら、あたしは背広から手を離し、さっさと帰宅した。甘えたついでに買ってもらったシュークリームのお礼は、きちんとしておいた。