sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 新神戸駅には父が見送りに来てくれた。朝八時。東京には昼前に着く。もっと実家でゆっくりしたかったのだが、夕方の新幹線は混むし、何より明日の準備をしたかったので、この時間にした。
 売店には新作以外の村上春樹の文庫本が売られていた。あたしは大学の図書館にあった分(新潮のやつ)だけは読んだことがあり、内容を知っている作品がいくつかあった。
 ドトールのカフェオレと果汁グミ、それに小さな神戸みやげを買った。邪魔にならない程度の大きさで、日持ちもする。誰に渡すかなど決めていないが、無いよりマシだろうと思った。横浜出身だという同期の顔が少し浮かんだ。彼にやるのもいいかもしれない。
 待合室でぼんやりと時を過ごしていると、父が「もう三回目の夏が来るんやな」と言った。中途退職してから三年が経つという意味だった。父の予定では、すでに再就職をしているはずだった。様々な要因が重なって、あたしが仕送りをする事態になった。
 その要因の一つが視力であり、父はあたしに目の大切さを説いた。今すぐどうという話ではないのだが、いつか父の目は見えなくなり、働き口を探すことすらできなくなるのだと思った。
 日本に自分より貧しい生活をしている人々はどのくらいいるのだろう?けっこうな数だとは分かってはいるが、あたしは富める人々の方を見てしまう。同じ分の給料を貰う、可処分所得が多い同期のことが羨ましい。
 そんなものだ。
 いい天気だった。あたしは席についてすぐに、窓の日除けを下ろした。窓側の席だといいことがいくつかある。コンセントがあり、携帯電話の充電ができる。ここ何回かの移動で、学んだ。