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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 「バッテリー」という単語を聞くと、すぐさまメタリカの曲を口ずさむ程度に、あたしと彼は通じ合っていた。メタルやインダストリアル、ミクスチャーなんかが大好きで、ソナタ・アークティカを子守歌にしていたあの頃。戻りたいと思うこともあるし、もういいと思うこともある。
 まあ、戻れないことに変わりはない。
 あたしはもう25歳で、ビールを買うときの年齢確認もされなくなってきた。先輩のタバコをこっそり抜き取ったのは、昨日や一昨日のことではない。ずっと目指していた「つまらない大人」にあたしはなりつつある。
 彼だってそうだ。部屋にあのギターがないことは、少しショックだった。あたしと同様、音楽は心の拠り所でも救世主でもなく、飲み屋の有線で流れているものなのだ。
 かつてあたしたちは、何を話していたのだろう?人工芝の中庭で。図書館前の喫煙所で。もう、思い出す気力がない。
 ところで、メタリカの「バッテリー」が入っているアルバムの発売日は、あたしの誕生日と一緒だ(さっきアマゾンで調べた)。当然、あたしはリアルタイムでこの曲を聴いていない。しかしながら、いつ、どうして聴くに至ったのかは思い出せない。
 ただ、彼が慣れない様子で、この曲を弾こうとしていたときのことは、よく思い出せるのである。