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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 トオルとシュウジに会いに行った。二人とも大学時代の友人。トオルとは当時べったり一緒にいたのだが、シュウジとはそうでもなく、卒業してからよく話すようになった。
 三人で映画を見て、居酒屋に行くというシンプルなコース。彼らとは映画、アニメ、漫画、小説と、そちら方面の話が盛り上がるから楽しい。二人に薦められた作品のタイトルをメモし、あたしは上機嫌で生ビールを飲んでいた。
 それからトオルの家に行き、宅飲み開始。二人が格ゲーをするのを、スミノフの瓶を抱えながらニコニコ眺めていた。あたしは対戦ゲームが苦手で、格ゲーは丸きりしたことがない。それでも楽しいのである。ゲームの腕は、シュウジの方が上のようで、トオルはやられっぱなしだった。
 家主のトオルが風呂に入っている間、シュウジと屋上へタバコを吸いに行った。彼はけっこう珍しいタバコを吸う。あたしはハイライトに火をつけて、高層ビルたちを睨み付けた。
シュウジはこの国の可笑しさについて話し出した。政治、司法、税、外交。普段の生活では見過ごしている様々なこと。あたしもそれらについては思うところがあったので、彼の話に積極的に応じた。
 一番狂っているのは司法だと、法学部出身のシュウジは言った。彼はそちらの道には進んでいない。あたしは文学部出身で、司法とはまた違うが面倒な方角に体を向けた。そして、目の前の書類を片付けることに精一杯で、自分のしていること、その残酷さをすっかり忘れていたことに気づいた。
 夜風に吹かれながら、あたしはシュウジに感謝していた。近ごろどうも俯瞰することができなくて、それで考えが凝り固まっていたから。
 人に恵まれている、と思う。会社でも、プライベートでも。対話ができる相手がきちんといて、一番必要なタイミングで彼らはあたしに声をかけてくれる。
 部屋に戻り、再びゲームが始まったのだが、あたしはいつの間にか眠ってしまっていた。夜中にふと目が醒めると、愛しい友人たちは床に転がっていて、安らかな寝息を立てていた。