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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 生まれて初めて親知らずを抜いた。医者の腕が良かったのか、生えかたが良かったのか、抜歯した夜だけ苦しんで終わった。職場の人から散々脅されていたから、拍子抜けだ。数日痛みが続くとか、口が開かないとか聞いていたのに。
 食事も普通に採れるので、気にすることなくサクと焼肉屋へ行った。関西でよく見るチェーン店だ。注文を取りに来たのは、片言の日本語を話す女の子だった。あたしは生ビールを、サクはジンジャーエールを頼んだ。あたしはいつも、ご飯を頼まない。ビビンパを食べることもあるが、その店には無かった。冷麺は好きじゃない。
 あたしたちは、味覚が大体同じなので、食事に苦労しない。ホルモンやユッケも、互いに何の了承もなく注文する。そしてそれを、分けて食べる。肉を焼くのは、ほとんどサクだ。あたしは気の向いたときにひっくり返すだけ。生焼けのものを取ろうとするので、叱られる。
 別れ際、お酒も入っているのだから気をつけて帰るように、とサクは言った。彼はいつも、電灯の少ないあたしの帰り道を気にしてくれる。あたしたちが恐れているのは、理不尽な事件や事故だ。ガンダムのキャラクターじゃないんだから、それなりの理由があって、死にたいと思う。通り魔や飲酒運転なんて絶対に嫌だ。それは誰でも思っていることだよ、だからその確率を減らすために自衛しよう、と彼は諭す。だからあたしは夜の十時半に帰宅する。