sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 三宮にはやたらと喫茶店があるのに、午後三時に待ち合わせをすると、どこの席にも座れない「カフェ難民」になることがある。日曜日ならば尚更だ。大学生らしい一団がルーズリーフを広げているのを見て、今は前期の試験シーズンなのかとうんざりした。勉強するなら図書館へ行け、図書館へ。とはいえ、大学図書館の席を取ることも難しかったな、とあたしは思い返した。トイレに行くため席を立ち、油断していると、荷物が追いやられているなんてこともある。電子辞書を盗まれる可能性も、残念ながら大学の方が高い。飲食もできないし、タバコも吸えないしな。それでも喫茶店に長時間居座る理由にはならないぞ、と心の中で一喝した。サクはそんなあたしの胸中など気づくわけもなく、さらりと空いた席を見つけ出してくれた。素敵。
 ペットロス症候群とまではいかなくとも、相応に落ち込んでいたあたしは、サクが会いにきてくれたことに感謝していた。彼女がいかに美しく聡明であったかを、語る相手が欲しかったのだ。サクは動物を飼ったことがないが、あたしの喪失感を正しく理解してくれていた。普段から、彼女の話を聞いてくれていたからだろう。ケージは昨日の内に片づけていたので、広くなった部屋に帰るのがこわくて仕方がなかった。それでも、引きずるわけにはいかないから、お互い夕飯の時間までには帰ろうと決めていた。サクはいつものようにバス停まで送ってくれたが、空はまだ青かった。それを眺めていると、無性に涙がこみ上げてきて、苦しかった。天国というのは、都合が良く勝手な考えだが、少なくとも今は有効だ。意地を張らずに、天国の存在を信じることで、あたしは何とか帰宅することができた。