sakiblog

双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 阪急三宮で、往来する人々を眺めながらサクを待っていた。日曜日の夕方。お互い別の用事があり、30分ほど空いた時間が合ったので、お茶でもしようということになったのだ。雨だったので、ブーツを履いている女性が目立った。既にサンダルの子もいた。足元だけ見ていると季節がよくわからなくなると思った。大阪ほどではないが、ここの人たちも何故か急いていた。軸足を意識して立たないと、押し流されてしまいそうだった。そして、知った顔は一人もいないと思った。日本の人口って今何人だっけ、一億人でいいんだっけ。その内知り合う人なんてほんの一握り、人はそう多くの人と言葉を交わせるわけではない。こうして突っ立っている間にも、子どもが生まれ、老人が死んでいく。知らない人が増えていく。そんな当然のことを考えていたら、景色がふっと歪んだので、ああ、久しぶりの感覚だと心の中で呟いた。身体が硬直していき、呼吸が苦しくなる。指先が震える。こわい。久しぶりだな、パニック発作
 サクは明らかに様子のおかしいあたしを見て、人目をはばからず頭を撫でてくれた。どこか落ち着けるところを、とコーヒー・チェーンを回ったが、この時間はダメだった。三宮では喫茶店難民なるものが存在するのだ。特にスターバックスなんて、休日はまず入れない。そして余り有名ではないところに入ることにした。禁煙席が無いため、少し敬遠している店だが仕方ない。いつもはアメリカンを頼むあたしだが、糖分が必要だと思いココアを注文してみた。このココアが絶品で、程良い甘さとふわりとした感触が優しくて泣けそうだった。サクも、この辺じゃ一番美味しいんじゃないかと言った。そして、さっきのはパニック発作?と聞くので、話が早くて助かると思った。ここ数年でずいぶんと認知度が上がったようだ。当人にとっては楽でいい。あたしはぽつぽつと発作の感覚を説明し、久しぶりだからびっくりしちゃってねと苦笑した。対応方法は分かっているので、発作が起きてもそこそこ冷静なのだ。むしろ、こんな彼女で君は大丈夫なのと尋ねると、それを受け止められるくらいには歳をとっていると言われた。17歳の男の子じゃないんだからって。