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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 どういう経緯か忘れたけれど、大学四年生のとき、クミコの部屋に一人で泊まりに行ったことがあった。彼女はサークルの同級生で、地方出身。そこそこ目に付く程度の美人で、歌が上手く、生活態度はだらしなかった。四年では単位をこなせず、一時休学したらしいが、風の噂で無事卒業したと聞いた。その後のことは何も知らない。要するに、そこまで仲がいいわけではなかったのだ。
 別に、嫌いだったわけではない。あたしはクミコのことが好きだった。泊まりに行った時も、随分と内面に踏み込んだ話をした。彼女はあたしと同じように、男関係がルーズで、酒に飲まれやすく、情緒不安定だった。大体の女の子からは理解を得られない事柄に、共感することができた。その時クミコは、遠距離恋愛をしていたが、他の筋からの情報で彼が浮気をしていることをあたしは知っていた。彼女も気付いていたようで、言い寄ってきたサークルの後輩を可愛がっているようだった。もうああいう夜は訪れないと思うし、あの頃には戻りたくないとも思う。彼女は夜中にカップラーメン(ビッグサイズ)をすすり、あたしは弾けないギターを抱えていた。