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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 電車内には半袖のポロシャツを着ている人もいれば、サイハイブーツを履いている人もいる。あたしの住む地区は職場より三度ほど気温が低いから、油断をせず常にカーディガンを持ち歩いている。ユニクロの、980円に値下がっていたやつ。便利。
 恋人は徒歩五分の距離に住んでいるが、父親が会社を畳むので、家を売って引っ越しするらしい。とはいえ、一駅向こうに行くだけで、会うことに支障はない。景気が良い時代には、ずいぶんと贅沢をさせてもらったと彼は語っていた。映画を観に行けなかったお詫びに、発売直後のゲーム機をあっさり買ってきてくれたという。こう言うのは失礼かもしれないけれど、子供時代にそういうことができて良かったのではないだろうか。父親という確固たる存在、それが揺らぎはじめるのが、子が成人してからで良かったと。あたしの場合、それは中学生の頃で、父親が鬱病になったときだった。親もただの人間。母親にしたって、ただの女性。それを受け入れられずに数年を過ごし、22歳のときにやっと飲み込むことができたけれど、正直言って辛かった。父親は休職しなかったから、家計は安定していた。でも、恵まれた環境にいるはずなのに、心療内科に通う羽目になったことが心底嫌だった。今年の三月に、父親は定年を待たずに退職。あたしは契約社員とはいえ自分の保険証を持つことができたから、今父親が家にいても、特別気に病むことはない。テレビを観ているときに限って物音をたてるから、それが苛つく程度。あたしは今のところ、大丈夫だ。
 男関係だけは未だにだらしないけれど、それは生まれつきだと思うようになった。最近、母親は昔の恋人の話をしてくれる。あたしも母親も美人ではないが、男に困らない遺伝子らしい。結婚するまでは、このままでいいと思っている。
「あの可愛さと普段のサバサバのギャップはずるいよ」
浮気相手が昨日そう言った。あたしは解っていてそうしている。彼だってそれに気づいている。