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双極性障害Ⅱ型。只今リハビリ出勤中。まずはカテゴリから「双極性障害と診断されるまで」を読まれることをおすすめします。

 職場の近くには、そこそこ大きな公園がある。土地の偉人の像があり、春には桜が咲く。昼下がりには老人たちが将棋を指している。昼休み、行く場所がないとき、本を読みたいとき、あたしはこの公園に立ち寄る。正面にハトの餌付けをする者がいない限り、快適に過ごすことができる。ある時など、若手SF作家の本を読んでいたら、見知らぬお爺ちゃんが西村京太郎サスペンスを三冊くれた。ブックオフの値札が表紙についていた。あたしは普段、こういうジャンルを読まない。ありがたく受け取ったが、結局まだページをめくらぬままだ。
 今年度に昇級した管理職の女性も、この公園によく来ていた。しかし、職場の人間が多いことを悟ったのだろう、この頃めっきり見かけなくなった。彼女は控えめな美人で、服装のセンスもよく、うちの会社ではエリートの部類に入る。しかし、うちの課の管理職は、クレーム処理を押し付けられる身代わり人形のような存在だ。あたしは契約社員のため、最近まで内部事情を知らなかったのだが、彼女いつまで持つだろうね、と言われているらしかった。お局様たちとの交流がほとんどなく、昼食を誰かと共に採ることもない。頭が良くても、味方が少ない者は潰されるのだ。最初に公園で見かけたとき、話しかけようか少しは迷った。今も来てくれていたら、年下で格下とはいえ、交流をはかれたのだけれど。
 そういえば、何かのついでで、恋人とこの公園に来たことがあった。あたしが待ち合わせ場所に指定したのだ。恋人が、一応ここをググったら、治安の悪い代名詞になっているらしいよと言った。確かに綺麗な町ではないし、ハード・デイズ・ナイトを大声で歌うお爺ちゃんがいるけれど、治安が悪いとまでは思えない。柄は悪いが人は悪くないのだ。まあ、住むのは勘弁だけどね。蒸し暑いから。